日本に子会社を設立する場合の法人形態

現行の会社法で認められている会社の形態は、「株式会社」「合同会社」「合資会社」「合名会社」の4種類です。合資会社と合名会社は他の2つと比べると設立件数が少ないため、会社を設立する際には、株式会社か合同会社のいずれかを選んで設立するのが一般的です。こちらの記事も併せてご参照ください。

日本市場への参入とその進出形態

株式会社は株式を発行して出資を募りその資金を資本とする会社形態で、出資者と経営者を別に設定することが出来ます。(同一人物でも可。)別に設定することが出来る分、利益の分配方法や定款の認証・議事録の作成義務等制約も合同会社より多くなります。

合同会社では出資者は「社員」という肩書で呼ばれますが、これは従業員という意味ではありません。原則出資者と経営者が同一人物になるため、株主総会などの手順を踏まずに意思決定が出来ます。合同会社では定款および登記上で業務執行権の有無により「業務執行社員」と「社員」に分ける、「代表社員」を定める等も可能です。

税務上の取扱いや設立の手順に大きな違いはありませんが、主な違いは下記の通りです。

 株式会社合同会社
定款認証が必要作成必要
認証不要
議事録作成必要
提出不要
作成不要
経営者代表取締役
取締役(上記と同一人物可)
社員
登記が必要な役員代表取締役
取締役(上記と同一人物可)
社員
登記できる役職監査役代表社員
業務執行社員
職務執行社員
決算公告義務任意
資金調達株主より社員より
利益の分配出資割合に準ずる定款で自由に定める

また株式会社のうち公開会社ではない会社において、取締役の任期は選任後2年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時までですが(会社法332条1項)、定款または株主総会の決議によって、短縮または10年まで伸長することが出来ます。監査役の任期は4年で伸長のみ10年まで可能である一方、短縮は出来ません(会社法336条1項)。合同会社に任期の定めはありませんが、定款で定めることが出来ます。

法務省:役員の変更の登記を忘れていませんか? 再任の方も必要です (moj.go.jp)

東京都における2021年新規設立法人の割合は株式会社:合同会社=6:4程度ですが、地域によっても割合が異なります。

法務省:【法務省の統計】 (moj.go.jp)

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