Articles

New invoice system in japan 2023

ドイツ税務のアップデート2024年7月

  1. 2拠点生活費として許容される自宅と職場間の距離について
  2. インプットタックスの還付手続:申請書の提出期限は2024年9月30日
  3. 売上税(VAT):現物寄付の取り扱い
  4. 賃金税:ホームオフィスは通常、雇用主の恒久的施設には該当しない
  5. 給与・福利厚生:バイク通勤で節税する方法
  6. インフレ補償プレミアム: 2024年末まで非課税での支払いが可能

  1. 2拠点生活費として許容される自宅と職場間の距離について
(さらに…)

HLSグループ国際業務の拠点を拡大~世界13カ国を拠点にサービス展開~

2024年6月19日、HLSグループが加盟するグローバルアカウンティングネットワーク「ASTHOM PARTNERS(アストムパートナーズ)」に英国の会計事務所Greenback Alan LLP(本社:Spa Road、 London、マネージング・パートナー:Stephen Dabby)が加盟しました。

HLSグループは、これからもASTHOM PARTNERSのメンバーファームと連携しながら、世界13カ国を拠点にジャパニーズクオリティのサービスで日系企業の国際業務をご支援いたします。

(さらに…)
New invoice system in japan 2023

令和6年度定額減税

1回目 定額減税の概要

  1. はじめに

令和6年度税制改正に伴い、令和6年分所得税、及び個人住民税について定額による特別控除(定額減税)が実施されることとなります。この定額減税に関する事務は多少複雑であり、また、事務処理が一定期間続くことが考えられます。ここでは、3回(今回-制度の概要、2回目-月次減税事務、3回目-年調減税事務)に渡って定額減税の概要や、源泉徴収事務の大まかな内容について解説します。また、ここでは給与所得者を対象としております。

  1. 定額減税の内容

(1) 所得税

① 対象となる人

    • 令和6年分の所得金額が1,805万円(給与収入2,000万円)以下に相当する人です。

    ② 減税額

      • 本人(居住者に限る) 30,000円
      • 同一生計配偶者及び扶養親族(居住者に限る) 30,000円/一人当たり
      • 居住者」とは、国内に住所を有する個人又は現在まで引き続いて1年以上居所を有する個人をいいます。「非居住者」は定額減税の対象とはなりません。
      • この減税では、扶養控除の適用が無い16歳未満についても適用があります。

      ③ 実施方法

        • 6月以降の最初の給与又は賞与に関する源泉徴収税額から減税分を控除し、6月に減税しきれなかった金額については、翌月以降の税額から順次控除します。これを月次減税事務といいます。
        • 合計所得金額が1,805万円超(給与収入2,000万円超に相当)であっても月次減税事務は実施されます。ただし、定額減税の対象ではないため、年末調整で調整されます。
        • 6月以降最初の給与又は賞与1回分のみで定額減税を完了できるケースは少ないため、適用状況を管理簿で管理することが望ましいとされています。

        管理簿ダウンロード

        国税庁「定額減税特設サイト」にて提供している。(この管理簿の作成は義務ではなく、徴収事務の便宜のために国税庁が掲載しているものです。)

        • (例)同一生計配偶者と扶養親族2名の場合、所得税の定額減税合計額が120,000円となります。これを1回の源泉徴収で控除できる場合は、社会保険控除後の給与額で約100万円を超える場合(扶養親族がともに16歳以上の場合)となります。
        • 年末調整の際、年末調整時点の定額減税額に基づき精算を行い、これを年調減税事務といいます。給与支払者は、月次減税事務、年調減税事務の二つの事務を行うことになります。
        テキスト が含まれている画像

自動的に生成された説明

        (2) 個人住民税

          ① 対象となる人

            • 令和6年分の個人住民税に係る合計所得金額が1,805万円(給与収入2,000万円)以下に相当する人です。

            ② 減税額

            • 本人(居住者に限る) 10,000円
            • 控除対象配偶者又は扶養親族(国外居住者を除く)10,000円/一人当たり
              • なお、控除対象配偶者を除く同一生計配偶者については、令和7年度分の所得割の額から1万円を控除します。
              • 「同一生計配偶者」とは、次に該当する人をいいます。

              その年の12月31日(年の途中で死亡または出国する場合は、その死亡又は出国の時)の現況で、本人と生計を一にして、年間の合計所得金額が48万円(青色専業者又は白色専従者を除く)である配偶者をいいます。

              • 「控除対象配偶者」とは、同一生計配偶者のうち、本人の合計所得金額が1,000万円以下の場合の配偶者をいいます。

              ③ 実施方法

                • 令和6年6月の給与支払では特別徴収を行ないません。
                • 減税額を控除した後の徴収税額の11分の1の額を、令和6年7月から令和7年5月まで毎月控除します。
                • 普通徴収の場合は、1期分の納付額から控除を行い、控除しきれない分は第2期以降の納付分から控除します。
                1. Q&A
                  1. 給与から減税しきれない分はどうなりますか?
                • この定額減税事務は令和7年1月以降に支給される給与からは行いません。控除しきれなかった部分については給付となります。また、全額が控除できないことと見込まれる場合には、自治体より前倒しで給付されます。
                1. 賞与からも定額減税は行われるのか?
                • はい、賞与から控除される源泉所得税についても対象です。
                1. 上記3において、私は合計所得金額が1,000万円を超えているので、配偶者分については定額減税の対象とはならないのですか?配偶者の合計所得金額は48万円以下です。
                • 配偶者の合計所得金額が48万円以下で、納税者本人の所得額が1,805万円以下であれば、その配偶者についても対象となります。
                • ただし、配偶者の合計所得金額が48万円を超える場合には、配偶者本人の源泉徴収税額から定額減税を行います。⇒この関係を図式で示すと以下のようになります。
                タイムライン が含まれている画像

自動的に生成された説明
                1. 令和6年の合計所得金額が1,805万円(給与収入が2,000万円)を超えることがあきらかであるため、定額減税の対象外のため、月次減税の対象にしなくてもいいですか?
                • 合計所得金額が1,805万円を超えることが見込まれる場合であっても、月次減税の対象となり、選択はできません。年調減税事務、または確定申告においてその分が精算されることになります。

                令和6年度定額減税

                第2回 月次減税事務について

                1. 控除対象者の確認

                定額減税の対象者は、令和6年6月1日現在で、給与等の源泉徴収において源泉徴収税額表の甲欄が適用される居住者(基準日在職者)となります。

                よって、この基準日在職者を特定することから始めます。

                ※次に該当する人は基準日在職者に該当しません。

                (1) 令和6年6月1日以後に支払う給与等の源泉徴収において、源泉徴収税額表の乙欄や丙欄が適用される人

                (2) 令和6年6月2日以後に支払者のもとで勤務する人

                (3) 令和6年5月31日以前に支払者のもとを退職した人

                (4) 令和6年5月31日以前に出国して非居住者となった人 

                ※合計所得金額が1,805万円を超えると見込まれる基準日在職者も対象となります。

                1.  月次減税額の計算

                最初の月次減税業務までに提出された扶養控除等申告書から、次の3点を確認します。

                1. 居住者である同一生計配偶者の確認

                居住者であり、かつ、年間合計所得の見積もり金額が48万円以下である場合には、月次減税対象の人数に加えます。

                1. 居住者である扶養家族の確認

                ・控除扶養等申告書に記載された控除対象扶養親族

                16歳未満の扶養親族(住民税に関する事項として記載されている)

                これらに該当する人を月次減税対象の人数に加えます。

                (3) 扶養控除等申告書に記載されていない同一生計配偶者や扶養親族に関する申告

                扶養控除等申告書に記載のない配偶者や、16歳未満の扶養親族(住民税に関する事項に記載されていない場合)については、「源泉税額に係る定額減税のための申告書」を提出することで、月次減税対象の人数に加えます。

                また、その際には配偶者の年間合計所得の見積り金額が48万円以内かを確認する必要があります。

                テーブル

自動的に生成された説明

                ③ 注意点

                 最初の月次減税事務で適用された同一生計配偶者と扶養親族の数から変動が生じた場合には、年末調整や確定申告で調整することとなり、途中で再計算を行いません。

                ④ 給与明細への反映について

                給与支払者が月次減税額の控除を行った場合には、給与・賞与(以下「給与等」)の支払の際に、従業員に交付する給与支払明細書に、月次減税額のうち、実際に控除した金額を「定額減税額(所得税)○○○円」または「定額減税×××円」などと記載します。

                 なお、年末調整対象の給与等に係る給与支払明細書については、源泉徴収票で定額減税額を把握することが可能であるため、定額減税額のうちに実際に控除した金額の記載は要しません。

                テキスト, 手紙

自動的に生成された説明

                ⑤ 源泉税納付書の記載

                   源泉徴収分の納付については、納付書の「俸給・給料等」、「賞与(役員賞与を除く。)」または「役員賞与」の「税額」欄には、各人ごとの月次減税額の控除を行った後の税額を集計し、その金額を記入します。

                  その際に、定額減税に関する事項の記載は不要です。

                  また、この控除により納付すべき税額が無くなった場合でも、通常通りに納付書に記載し、その納付書を所轄税務署長に提出する必要があります。

                ホワイトボード が含まれている画像

自動的に生成された説明

                令和6年度定額減税

                第3回 年調減税事務について

                年末調整の詳しい事務内容については、国税庁ホームページにおいて、9月頃から随時掲載予定です。

                ここでは、年調事務の流れについて紹介します。

                ① 対象者の確認

                年調減税事務では、年末調整時点の定額減税額に基づき、年間の所得税額との精算を行います。

                なお、給与所得以外の所得を含めた合計所得金額が1,805万円を超えると見込まれる人は定額減税の対象ではないため、月次給与で減税された分を年末調整で足し戻す形になります。また、年収が2,000万円以上の場合、年末調整はありません。

                • 年末調整において合計所得金額が1,805万円を超えるか否かを勘案する際には、基礎控除申告書により把握した合計所得金額を用います。

                ② 年調年税額計算の流れ

                年末調整の流れにおいて、この減税は住宅借入金特別控除後の年調所得税額から控除することになります。定額減税控除後の所得税額に102.1%(復興特別所得税額)を乗じ、年調年税額が算出されます。  

                タイムライン が含まれている画像

自動的に生成された説明

                 ③ 年調減税額の計算

                 年末調整実施時点での同一生計配偶者の有無、及び扶養親族(いずれも居住者に限ります)の人数を確認して、本人30,000円、同一生計配偶者と扶養親族1人につき30,000円との合計額を求めます。

                 年調後に発行される源泉徴収票には、その摘要欄に実際に控除した年調減税額を「源泉徴収時所得税減控除済額×××円」と記載されます。

                 ④ 年調所得税額から定額減税分を控除しきれない場合

                 2025年1月支給分からは、月次減税は行いません。その場合は、源泉徴収票には「控除外額×××円」と記載されます。また、減税前の税額が低く、定額減税しきれないことが見込まれる場合は、給付が行われる予定です。

                参照資料

                国税庁 定額減税特設サイト 定額減税 特設サイト|国税庁 (nta.go.jp)

                国税庁 令和6年分所得税の定額減税について 0024004-072_03.pdf (nta.go.jp)

                国税庁 給与等の源泉徴収事務に係る令和6年分所得税の定額減税のしかた

                  0023012-317.pdf (nta.go.jp)

                国税庁 令和6年分所得税の定額減税Q&A  0024001-021.pdf (nta.go.jp)

                総務省 個人住民税の定額減税に係るQ&A集(第2版)000944311.pdf (soumu.go.jp)


                免責事項:当サイトに掲載された情報は情報提供のみを目的としたものであり、その内容について何ら法的保証をするものではありません。この情報はあくまで参考であり、適用される法律の改正や変更があった場合には変更される事になります。出来る限り正確な情報の掲載に努めて参りますが、必ずしも安全性・信頼性・正確性などを保証するものではなく、本記事の省略および誤りにより引き起こされる損害等について、当社は一切の責任を負いかねます。

                New invoice system in japan 2023

                ドイツ税務のアップデート2024年3月

                1. 不動産譲渡税に関する不確実性の解消

                2. 株主である取締役は社用車の私的利用が前提とされる

                3.雇用主からの食事提供に関する2024年度の非現金給付額の決定

                4. 両親手当(Elterngeld)の所得制限の引き下げ

                連邦財務省

                (さらに…)
                New invoice system in japan 2023

                4月から労働条件通知書(雇用契約書)の明示ルールが変わります

                対象すべての労働者明示のタイミング
                労働契約の締結時と有期労働契約の更新時
                新しく追加される明示事項
                1.就業場所・業務の変更の範囲
                有期契約労働者有期労働契約の締結時と更新時2.更新上限の有無と内容(通算契約期間または更新回数の上限
                +更新上限を新設・短縮しようとする場合、その理由をあらかじめ説明すること
                無期転換ルール※に基づく無期転換申込権が発生する契約の更新時3.無期転換申込機会無期転換後の労働条件
                +無期転換後の労働条件を決定するに当たり、他の正社員等とのバランスを考慮した事項の説明に努めること

                ※同一の使用者との間で、有期労働契約が通算5年を超えるときは、労働者の申込みにより、期間の定めのない

                労働契約(無期労働契約)に転換する制度です。

                1.就業場所・業務の変更の範囲                         労働条件通知書(一部抜粋)

                就 業 場 所(雇入れ直後)             (変更の範囲)
                業務の内容(雇入れ直後)             (変更の範囲)
                【有期雇用特別措置法による特例の対象者(高度専門)の場合】・特定有期業務(            開始日:      完了日:       )

                 ※変更の範囲の明示が必要となるのは、2024年4月1日以降に契約締結・契約更新をする労働者。

                なお、それ以前でも変更の範囲を明示する方が望ましい。

                <記載例>

                1)就業場所・業務の内容に限定がない場合

                就 業 場 所(雇入れ直後)●●営業所     (変更の範囲)会社の定める営業所
                業務の内容(雇入れ直後)●●に関する業務 (変更の範囲)会社の定める業務

                2)就業場所・業務内容の一部に限定がある場合

                就 業 場 所(雇入れ直後)本社          (変更の範囲)本社および●●支社
                業務の内容(雇入れ直後)給与計算業務   (変更の範囲)給与計算及び社会保険手続き業務

                3)就業場所・業務内容の変更が想定されない場合(完全限定)

                就 業 場 所(雇入れ直後)本社          (変更の範囲)本社
                業務の内容(雇入れ直後)給与計算業務   (変更の範囲)給与計算業務

                4)一時的に限定がある場合

                就 業 場 所(雇入れ直後)●●営業所     (変更の範囲)会社の定める営業所
                業務の内容(雇入れ直後)給与計算業務   (変更の範囲)会社の定める業務

                2.更新上限の有無と内容                              労働条件通知書(一部抜粋)

                3.更新上限の有無( 無 ・ 有 (更新  回まで/通算契約期間  年まで))

                ※対象は、有期契約労働者

                ※更新上限の明示例 「契約期間は通算4年を上限とする」「契約の更新回数は3回まで」など

                ※更新上限を新設・短縮しようとする場合、あらかじめその理由を説明すること(文書を交付して有期契約労働者ごとに面談等により説明を行う方法が基本ですが、特定に方法に限定されるものではない。)

                <サンプル>更新上限の短縮理由説明書

                 当社と貴殿との有期雇用契約について、更新上限を短縮することといたしましたので、以下の通り、その理由を説明いたします。
                 貴殿が従事している●●プロジェクトですが、当初10年にわたって行われる予定でした。ところが、当初の予定とは異なり●年●月で終了することとなりました。 誠に遺憾ですが、有期雇用契約を●年●月までの、更新上限を●●とさせていただきます。 何卒ご理解いただきますようお願いいたします。

                3.無期転換申込機会 無期転換後の労働条件                労働条件通知書(一部抜粋)

                *労働契約法に定める同一の企業間での通算契約期間が5年を超える有期労働契約の締結の場合 本契約期間中に会社に対して期間の定めのない労働契約(無期労働契約)の締結の申込みをしたときは、本契約期間の末日の翌日(  年  月  日)から、無期労働契約での雇用に転換することができる。この場合の本契約からの労働条件の変更の有無( 無 ・ 有 (別紙のとおり) ) 

                ※対象は、有期契約労働者

                ※明示は、「無期転換申込権」が発生する契約更新のタイミングごと

                ※相談体制「有期契約労働者の雇用管理の改善等に関する事項」に該当

                <サンプル>バランスを考慮した事項の説明書

                 当社として、無期転換後の労働条件に関し、労働契約法第3条第2項の規定の趣旨を踏まえ、就業の実態に応じて均衡を考慮した事項説明いたします。 正社員との処遇の違いの理由は、正社員は●●という難易度が高い業務を行ったり、それに対する責任を伴います。(・・・中略・・・)これに対して、無期転換社員の場合、丸々という比較的軽易な業務であり、●●という責任もありません。 以上の点を考慮し、このような待遇差となっています。

                無期転換に関する明示のタイミングと記載例

                <事例>契約期間1年の有期労働契約で、更新上限がない場合

                免責事項:当サイトに掲載された情報は情報提供のみを目的としたものであり、その内容について何ら法的保証をするものではありません。この情報はあくまで参考であり、適用される法律の改正や変更があった場合には変更される事になります。出来る限り正確な情報の掲載に努めて参りますが、必ずしも安全性・信頼性・正確性などを保証するものではなく、本記事の省略および誤りにより引き起こされる損害等について、当社は一切の責任を負いかねます。

                ドイツ税務のアップデート2024年1月

                1. 電子インボイスの義務化に関する動向

                2. 2024年1月1日からVATは再び19%に

                3. 社用車の私的使用手当:計算方法を変えれば節税できる

                4. 2024年1月1日からの年収基準引き上げに伴う健康保険加入義務の見直し

                5. 少額減価償却資産

                6.ドイツ所得税法第

                7. 条に基づく特別償却限度額の引き上げ

                (さらに…)
                New invoice system in japan 2023

                図解でわかる電子帳簿保存法(2024 以降対応)

                1. はじめに

                皆様ご存じのように、電子帳簿保存法(以下“電帳法”)は、当初2022年1月から適用の予定でした。しかしながら、その適用開始が2024年1月に延期される一方で、度重なる改正で何が必須で何が緩和されたのか、その全体像が分かりにくくなっているのが実情です。今回は、電帳法の中でも電子取引に焦点を当てて図解いたします。

                1. 各種税務関係書類と電帳法の関係

                各種税務・会計関連資料と電帳法の全体的な関係は以下のように要約できます。

                上記の図でお分かりになるように、電帳法に基づいて電子保存が強制されるのは、電子取引により授受する電子取引データのみです。(受け取ったデータだけでなく、送った場合も該当します。)

                電子取引以外の各種税務・会計諸資料は、従来通りのハードコピーによる保存、または電子データ保存のいずれもが認められています。

                では、この電子取引データの電子保存の方法に求められる要件はどのようなものでしょうか? 

                当初は、真実性の要件および検索要件に代表される可視性の要件が厳格に求められていました。しかしながら、制度の見直しにより、納税者のIT環境の実情に応じ電子取引データの保存方法に緩和措置が取られるようになりました。以下にIT環境の態様に応じた電子取引データの保存方法を判定するフローチャートで示しますので、参考になさってください。

                1. 電子取引データの保存方法フローチャート

                以下は、2023年7月に国税庁が発表した、納税者のIT環境に応じた電子取引データの保存方法を判定するフロ-チャートです。電子取引データを原則的ルールで保存しているとの判定に至らない場合は、早急に然るべき対応をとる必要があります。

                4 電子取引データ: 電子保存の保存要件(原則)

                以下のように、「真実性の要件」「可視性の要件」を満たすIT環境を整備する必要があります。

                真実性の要件(改ざん防止の措置)

                電子データについて訂正履歴が残り、削除できない運用ができること。

                可視性の要件

                税務調査などの際に検索・表示できるようにします。

                (*1)“速やかに”とは概ね7営業日以内とされ、タイムスタンプの運用規定がある場合は2か月と7営業日以内とされる。

                (*2)税務調査の際に、調査官の求めに応じてダウンロードして渡せるようにしている場合は、②③は不要。

                HLSでは、電子取引データの電子保存要件につき、お客様のIT環境に応じた的確なアドバイスを差し上げることが可能です。より詳細な説明をご希望の場合は、どうぞお気軽にお声かけ下さい

                5 電子保存要件の猶予措置(恒久措置)の適用の可否この猶予措置は恒久措置になります。猶予措置の内容および適用関係は以下の通りです。

                (*1)“相当の理由”とは個別に判断されるべきであるが、例えば、IT環境の整備が間に合わない、IT環境整備のための資金が不足している、IT操作に不慣れである等の事情が考えられる。

                猶予措置以外にも納税者の状況に応じた電子保存要件の緩和措置が講じられています。より詳細な説明をご希望の場合は、どうぞお気軽にお声かけ下さい

                New invoice system in japan 2023

                ドイツ税務のアップデート2023年11月

                1.電気自動車を社用車として使用した場合の減税枠の拡大(2024年以降)

                2. 社用車に係る非現金給付のBFH判決

                3. 有限会社の重要な持分の売却による損失

                4. GmbH の破産に関するBFHの判決

                5. 合計通知書による社会保険料の後払いに関する所得税上の取り扱い

                1. 電気自動車を社用車として使用した場合の減税枠の拡大(2024年以降)  

                成長機会法の一部としてすでに提示された法改正に加え、ドイツ政府は社用車の課税についてさらなる減税を計画しています。 政府の法案には以下の減税案が含まれています。 100%電気自動車の社用車をプライベートで使用する場合、非現金給付(non-cash benefit)の金額は車両定価の4分の1に相当する金額のみを基準として計算することができます。 ログブック方式(カンパニーカーの使用者が車の走行距離をプライベート利用分と仕事での利用分に分けて記録し、車両定価をそれぞれの走行距離で分割した金額の内プライベート利用分のみを非現金給付として計算する方式)が適用される場合、取得価額の4分の1のみがこの非現金給付の計算基礎として算定されますが、現行法ではこの規則は車両定価が60,000ユーロを超えない場合にのみ適用することができます。 ドイツ政府は、需要の拡大と、持続可能なモビリティを促進し、電気自動車の購入コストの増加を現実的な方法で減税案に反映したいと考えています。 このため、2024日1月1日以降に初めて登録される社用車については、非現金給付の減税の対象となる車両の最高価格を60,000ユーロから80,000ユーロに増額する予定です。

                1. 社用車に係る非現金給付のBFH判決  

                自宅駐車場の減価償却費は非現金給付額と相殺できない場合があります。

                雇用主が従業員にプライベート利用可能な社用車を提供する場合、非現金給付として1% 方式またはログブック方式のいずれかにより賃金として課税の対象となります。ただし、従業員が勤務外での車両の使用料(例:月額料金、走行距離手当、リース料相当額など)を雇用主に支払う場合、従業員はその分については便益を得ていないため、負担した使用料は課税対象となる非現金給付から減額されます。この点、従業員が支払った車両関連費用 (燃料費など)も非現金給付額と相殺できる場合があります。

                この度、連邦財務裁判所(BFH)は、従業員が車両を駐車場に保管する法的義務がない場合、従業員の自宅駐車場の費用は非現金給付の減額とはみなされない場合があるとの判決を下しました。

                この訴訟は、社用車を所有する従業員が、自宅駐車場の減価償却費を非現金給付の減額として申告したいと訴えたものです。雇用主は社用車を慎重に扱わなければならないと規定しただけで、駐車場で保管する義務まではなかったと判断されました。 BFHは、社用車の提供と試運転のために駐車場の使用料を支払わなければならない場合にのみ、使用料を控除して福利厚生費(賃金)を減額できるが、これは駐車場の減価償却には適用されないと述べています。なお、この訴えでは従業員には車両を駐車場に保管する法的義務はなく、また、駐車場に係る費用は社用車の使用に依存しないため、プライベート利用分の按分計算も考慮されていませんでした。

                1. 有限会社の重要な持分の売却による損失

                有限会社(以下GmbH)の持分を使って、意図的に損失を発生させる税務スキームが度々行われていました。しかしながら、2019年7月31日以降は容易ではありません。

                連邦財政裁判所の過去の判決によると、(持分の売却による)利益の発生の有無については、個別の持分ではなく持分全体からの収入の全てを考慮しなければならないと規定しています。

                背景

                過去 5 年間に少なくとも1%を保有していた会社の持分を売却すると、その売却収入は事業所得となります(ドイツ所得税法 (EStG) の第 17 条 (1))。しかしながら、特に売却損失が発生する場合には、一般的に事業としての収益を得る意思があったかどうかという疑問が生じます。

                事件の概要

                資本金25,000ユーロのGmbHの全持分の所有者が、その持分を一つ1ユーロの25,000個の持分に分割し、分割した2015年11月の直後の2015年12月に資本金を1,000 ユーロ増資することを決定しました。25,001個目の新たな持分の名目価値は1,000ユーロです。この名目金額に加えて、500,000ユーロのプレミアムが資本準備金としてGmbHに支払われました。 2015年末、この全持分の所有者は、新たな持分とともに1個1ユーロ相当の300個の持分を夫に、原則的には妥当な購入価格であるとされる26,300ユーロで売却しました。そして、2015年の所得税申告書で、納税者は475,000ユーロの売却損失(売却価格の26,300ユーロから取得原価1,300ユーロとプレミアム500,000ユーロを差し引いた金額)を申告しました。

                1. GmbH の破産に関するBFHの判決  

                連邦財政裁判所(BFH)はGmbHの持分所有者が保証損失の計上を税務上主張できるという判決を下しました。GmbH の持分所有者が会社に対する債務保証を行っていた場合、会社が倒産したことで取得した求償権に関する損失については、税務上投資収益の減額として申告することが可能でした。今回の訴訟のケースでは、このような税務上の減額処理について、投資から得られるすべての収益を総合的に評価した結果、収益を獲得する意図があったと判断されたことから、BFHは2019年までの法的状況についてこのような判決を下しています。

                1. 合計通知書による社会保険料の後払いに関する所得税上の取り扱い

                社会保険当局が当局の記録誤りを理由に雇用主に社会保険料の未払分の納付を要求した場合でも、個々の従業員に賃金が発生することはありません。連邦財政裁判所(BFH)は2020年の税務裁判所の判決を追認しました。

                免責事項:当サイトに掲載された情報は情報提供のみを目的としたものであり、その内容について何ら法的保証をするものではありません。この情報はあくまで参考であり、適用される法律の改正や変更があった場合には変更される事になります。出来る限り正確な情報の掲載に努めて参りますが、必ずしも安全性・信頼性・正確性などを保証するものではなく、本記事の省略および誤りにより引き起こされる損害等について、当社は一切の責任を負いかねます

                New invoice system in japan 2023

                米国会計基準アップデート – 信用損失の新基準CECL:非金融機関、非公開企業への影響と対策

                1. CECLの概要

                2016年、米国財務会計基準審議会(FASB)は、金融資産(預金、受取手形、売掛金、貸付金、等)の減損の認識に関連して、(予想損失モデル(Current Expected Credit Loss – CECL)に関する新しい基準(ASU 2016-13)を公表しました(FASBから正式に米国会計基準についての改訂等があった場合には、Accounting Standard Update (“ASU”)という形で公表されます)。

                (さらに…)