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ドイツ税務のアップデート2024年1月

1. 電子インボイスの義務化に関する動向

2. 2024年1月1日からVATは再び19%に

3. 社用車の私的使用手当:計算方法を変えれば節税できる

4. 2024年1月1日からの年収基準引き上げに伴う健康保険加入義務の見直し

5. 少額減価償却資産

6.ドイツ所得税法第

7. 条に基づく特別償却限度額の引き上げ

(さらに…)
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図解でわかる電子帳簿保存法(2024 以降対応)

  1. はじめに

皆様ご存じのように、電子帳簿保存法(以下“電帳法”)は、当初2022年1月から適用の予定でした。しかしながら、その適用開始が2024年1月に延期される一方で、度重なる改正で何が必須で何が緩和されたのか、その全体像が分かりにくくなっているのが実情です。今回は、電帳法の中でも電子取引に焦点を当てて図解いたします。

  1. 各種税務関係書類と電帳法の関係

各種税務・会計関連資料と電帳法の全体的な関係は以下のように要約できます。

上記の図でお分かりになるように、電帳法に基づいて電子保存が強制されるのは、電子取引により授受する電子取引データのみです。(受け取ったデータだけでなく、送った場合も該当します。)

電子取引以外の各種税務・会計諸資料は、従来通りのハードコピーによる保存、または電子データ保存のいずれもが認められています。

では、この電子取引データの電子保存の方法に求められる要件はどのようなものでしょうか? 

当初は、真実性の要件および検索要件に代表される可視性の要件が厳格に求められていました。しかしながら、制度の見直しにより、納税者のIT環境の実情に応じ電子取引データの保存方法に緩和措置が取られるようになりました。以下にIT環境の態様に応じた電子取引データの保存方法を判定するフローチャートで示しますので、参考になさってください。

  1. 電子取引データの保存方法フローチャート

以下は、2023年7月に国税庁が発表した、納税者のIT環境に応じた電子取引データの保存方法を判定するフロ-チャートです。電子取引データを原則的ルールで保存しているとの判定に至らない場合は、早急に然るべき対応をとる必要があります。

4 電子取引データ: 電子保存の保存要件(原則)

以下のように、「真実性の要件」「可視性の要件」を満たすIT環境を整備する必要があります。

真実性の要件(改ざん防止の措置)

電子データについて訂正履歴が残り、削除できない運用ができること。

可視性の要件

税務調査などの際に検索・表示できるようにします。

(*1)“速やかに”とは概ね7営業日以内とされ、タイムスタンプの運用規定がある場合は2か月と7営業日以内とされる。

(*2)税務調査の際に、調査官の求めに応じてダウンロードして渡せるようにしている場合は、②③は不要。

HLSでは、電子取引データの電子保存要件につき、お客様のIT環境に応じた的確なアドバイスを差し上げることが可能です。より詳細な説明をご希望の場合は、どうぞお気軽にお声かけ下さい

5 電子保存要件の猶予措置(恒久措置)の適用の可否この猶予措置は恒久措置になります。猶予措置の内容および適用関係は以下の通りです。

(*1)“相当の理由”とは個別に判断されるべきであるが、例えば、IT環境の整備が間に合わない、IT環境整備のための資金が不足している、IT操作に不慣れである等の事情が考えられる。

猶予措置以外にも納税者の状況に応じた電子保存要件の緩和措置が講じられています。より詳細な説明をご希望の場合は、どうぞお気軽にお声かけ下さい

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ドイツ税務のアップデート2023年11月

1.電気自動車を社用車として使用した場合の減税枠の拡大(2024年以降)

2. 社用車に係る非現金給付のBFH判決

3. 有限会社の重要な持分の売却による損失

4. GmbH の破産に関するBFHの判決

5. 合計通知書による社会保険料の後払いに関する所得税上の取り扱い

  1. 電気自動車を社用車として使用した場合の減税枠の拡大(2024年以降)  

成長機会法の一部としてすでに提示された法改正に加え、ドイツ政府は社用車の課税についてさらなる減税を計画しています。 政府の法案には以下の減税案が含まれています。 100%電気自動車の社用車をプライベートで使用する場合、非現金給付(non-cash benefit)の金額は車両定価の4分の1に相当する金額のみを基準として計算することができます。 ログブック方式(カンパニーカーの使用者が車の走行距離をプライベート利用分と仕事での利用分に分けて記録し、車両定価をそれぞれの走行距離で分割した金額の内プライベート利用分のみを非現金給付として計算する方式)が適用される場合、取得価額の4分の1のみがこの非現金給付の計算基礎として算定されますが、現行法ではこの規則は車両定価が60,000ユーロを超えない場合にのみ適用することができます。 ドイツ政府は、需要の拡大と、持続可能なモビリティを促進し、電気自動車の購入コストの増加を現実的な方法で減税案に反映したいと考えています。 このため、2024日1月1日以降に初めて登録される社用車については、非現金給付の減税の対象となる車両の最高価格を60,000ユーロから80,000ユーロに増額する予定です。

  1. 社用車に係る非現金給付のBFH判決  

自宅駐車場の減価償却費は非現金給付額と相殺できない場合があります。

雇用主が従業員にプライベート利用可能な社用車を提供する場合、非現金給付として1% 方式またはログブック方式のいずれかにより賃金として課税の対象となります。ただし、従業員が勤務外での車両の使用料(例:月額料金、走行距離手当、リース料相当額など)を雇用主に支払う場合、従業員はその分については便益を得ていないため、負担した使用料は課税対象となる非現金給付から減額されます。この点、従業員が支払った車両関連費用 (燃料費など)も非現金給付額と相殺できる場合があります。

この度、連邦財務裁判所(BFH)は、従業員が車両を駐車場に保管する法的義務がない場合、従業員の自宅駐車場の費用は非現金給付の減額とはみなされない場合があるとの判決を下しました。

この訴訟は、社用車を所有する従業員が、自宅駐車場の減価償却費を非現金給付の減額として申告したいと訴えたものです。雇用主は社用車を慎重に扱わなければならないと規定しただけで、駐車場で保管する義務まではなかったと判断されました。 BFHは、社用車の提供と試運転のために駐車場の使用料を支払わなければならない場合にのみ、使用料を控除して福利厚生費(賃金)を減額できるが、これは駐車場の減価償却には適用されないと述べています。なお、この訴えでは従業員には車両を駐車場に保管する法的義務はなく、また、駐車場に係る費用は社用車の使用に依存しないため、プライベート利用分の按分計算も考慮されていませんでした。

  1. 有限会社の重要な持分の売却による損失

有限会社(以下GmbH)の持分を使って、意図的に損失を発生させる税務スキームが度々行われていました。しかしながら、2019年7月31日以降は容易ではありません。

連邦財政裁判所の過去の判決によると、(持分の売却による)利益の発生の有無については、個別の持分ではなく持分全体からの収入の全てを考慮しなければならないと規定しています。

背景

過去 5 年間に少なくとも1%を保有していた会社の持分を売却すると、その売却収入は事業所得となります(ドイツ所得税法 (EStG) の第 17 条 (1))。しかしながら、特に売却損失が発生する場合には、一般的に事業としての収益を得る意思があったかどうかという疑問が生じます。

事件の概要

資本金25,000ユーロのGmbHの全持分の所有者が、その持分を一つ1ユーロの25,000個の持分に分割し、分割した2015年11月の直後の2015年12月に資本金を1,000 ユーロ増資することを決定しました。25,001個目の新たな持分の名目価値は1,000ユーロです。この名目金額に加えて、500,000ユーロのプレミアムが資本準備金としてGmbHに支払われました。 2015年末、この全持分の所有者は、新たな持分とともに1個1ユーロ相当の300個の持分を夫に、原則的には妥当な購入価格であるとされる26,300ユーロで売却しました。そして、2015年の所得税申告書で、納税者は475,000ユーロの売却損失(売却価格の26,300ユーロから取得原価1,300ユーロとプレミアム500,000ユーロを差し引いた金額)を申告しました。

  1. GmbH の破産に関するBFHの判決  

連邦財政裁判所(BFH)はGmbHの持分所有者が保証損失の計上を税務上主張できるという判決を下しました。GmbH の持分所有者が会社に対する債務保証を行っていた場合、会社が倒産したことで取得した求償権に関する損失については、税務上投資収益の減額として申告することが可能でした。今回の訴訟のケースでは、このような税務上の減額処理について、投資から得られるすべての収益を総合的に評価した結果、収益を獲得する意図があったと判断されたことから、BFHは2019年までの法的状況についてこのような判決を下しています。

  1. 合計通知書による社会保険料の後払いに関する所得税上の取り扱い

社会保険当局が当局の記録誤りを理由に雇用主に社会保険料の未払分の納付を要求した場合でも、個々の従業員に賃金が発生することはありません。連邦財政裁判所(BFH)は2020年の税務裁判所の判決を追認しました。

免責事項:当サイトに掲載された情報は情報提供のみを目的としたものであり、その内容について何ら法的保証をするものではありません。この情報はあくまで参考であり、適用される法律の改正や変更があった場合には変更される事になります。出来る限り正確な情報の掲載に努めて参りますが、必ずしも安全性・信頼性・正確性などを保証するものではなく、本記事の省略および誤りにより引き起こされる損害等について、当社は一切の責任を負いかねます

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米国会計基準アップデート – 信用損失の新基準CECL:非金融機関、非公開企業への影響と対策

1. CECLの概要

2016年、米国財務会計基準審議会(FASB)は、金融資産(預金、受取手形、売掛金、貸付金、等)の減損の認識に関連して、(予想損失モデル(Current Expected Credit Loss – CECL)に関する新しい基準(ASU 2016-13)を公表しました(FASBから正式に米国会計基準についての改訂等があった場合には、Accounting Standard Update (“ASU”)という形で公表されます)。

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日本に子会社を設立する場合の法人形態

現行の会社法で認められている会社の形態は、「株式会社」「合同会社」「合資会社」「合名会社」の4種類です。合資会社と合名会社は他の2つと比べると設立件数が少ないため、会社を設立する際には、株式会社か合同会社のいずれかを選んで設立するのが一般的です。こちらの記事も併せてご参照ください。

日本市場への参入とその進出形態

株式会社は株式を発行して出資を募りその資金を資本とする会社形態で、出資者と経営者を別に設定することが出来ます。(同一人物でも可。)別に設定することが出来る分、利益の分配方法や定款の認証・議事録の作成義務等制約も合同会社より多くなります。

合同会社では出資者は「社員」という肩書で呼ばれますが、これは従業員という意味ではありません。原則出資者と経営者が同一人物になるため、株主総会などの手順を踏まずに意思決定が出来ます。合同会社では定款および登記上で業務執行権の有無により「業務執行社員」と「社員」に分ける、「代表社員」を定める等も可能です。

税務上の取扱いや設立の手順に大きな違いはありませんが、主な違いは下記の通りです。

 株式会社合同会社
定款認証が必要作成必要
認証不要
議事録作成必要
提出不要
作成不要
経営者代表取締役
取締役(上記と同一人物可)
社員
登記が必要な役員代表取締役
取締役(上記と同一人物可)
社員
登記できる役職監査役代表社員
業務執行社員
職務執行社員
決算公告義務任意
資金調達株主より社員より
利益の分配出資割合に準ずる定款で自由に定める

また株式会社のうち公開会社ではない会社において、取締役の任期は選任後2年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時までですが(会社法332条1項)、定款または株主総会の決議によって、短縮または10年まで伸長することが出来ます。監査役の任期は4年で伸長のみ10年まで可能である一方、短縮は出来ません(会社法336条1項)。合同会社に任期の定めはありませんが、定款で定めることが出来ます。

法務省:役員の変更の登記を忘れていませんか? 再任の方も必要です (moj.go.jp)

東京都における2021年新規設立法人の割合は株式会社:合同会社=6:4程度ですが、地域によっても割合が異なります。

法務省:【法務省の統計】 (moj.go.jp)

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インボイス制度の開始前後の確認事項

【1】インボイス制度開始前の再確認事項

以下の項目についてご対応いただけているか、今一度ご確認くださいますようお願い致し
ます。

※1.インボイス(適格請求書)の記載事項

※2.端数処理システムの対応

 3.登録番号の取引先への周知

 4.取引先の登録状況、登録番号確認

 5.課税事業者⇔免税事業者への価格交渉 (独禁法対応要確認)

※6.令和5年10月1日前後の開始日に係る適用関係

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米国進出における経理・税務の重要性と課題について

イントロダクション: グローバル化が進む現代のビジネス環境において、米国への進出は多くの日本企業にとって魅 力的な事業拡大の機会となっています。成長を続ける米国市場には、潜在的な顧客層やビジネ スパートナーが多く存在します。しかしながら、米国進出には、複雑で多様な米国の法人税制 、移転価格税制、米国会計基準等、会計と税務に関する懸念や課題が伴います。これらの課題を 解決し米国進出を成功させるためには、経理の重要性を理解し、適切に準備・対応する必要が あります。今回は、米国進出における経理の重要性について解説します。

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米国輸出規制の概要 後編:要輸出許可の判定

前編では、米国輸出規則(EAR)の概要について解説しました。本編では、要輸出許可の判定の流れについて、BISより発行されている各種資料を用いて解説します。

 次の資料が、輸出許可の要否を確認する上で使用する主な資料になります。

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米国税務デューデリジェンス(Due Diligence) について

ドル高円安等の影響に関わらず、日本から米国企業への買収に関しての税務デューデリジェンスのお問い合わせは引き続き受けています。対象会社の税務リスクを把握することは重要です。今回はデューデリジェンスの一翼を担っている税務デューデリジェンスについてご説明します。対象会社が法人なのかパススルーの会社なのかにより、デューデリジェンスの内容が大きく異なります。また、株式や持分の買収なのか、それとも資産買収なのかによっても大きく異なってきます。以下は対象会社が法人で株式買収の場合の主な調査内容を例として挙げ、さらに買収方法や買収後の検討課題も例に挙げます。

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中小企業は2023 年 4 月から月60時間を超える時間外労働に対して 50% の割増賃金を支払う必要があります

2023年4月から施行された法改正により、中小企業の月60時間を超える時間外労働に対して割増賃金率が50%に引き上げられました。
厚労省:【月60時間を超える時間外労働の 割増賃金率が引き上げられます】 (mhlw.go.jp)

これまでは猶予措置により大企業のみが対象となっていました。改正によって労働時間の削減が進むことで生産性や業績の向上が期待されますが、割増賃金の支払いによる中小企業への経済的負担も指摘されており、その解決には引き続き取り組むべき課題も多々あります。

■代替休暇制度

引き上げ分の割増賃金の代わりに有給休暇を付与する制度を設置することができます。これを「代替休暇」と言います。導入にあたっては労使協定の締結が必要となります。また、時間外労働が60時間を超えた月の末日の翌日から2か月以内の期間で付与する規定があります。

■深夜・休日労働との関係

月60時間を超えて深夜に時間外労働を行わせた場合、深夜割増分と合わせて75%以上の率で計算した割増賃金を支払う義務があります。 また、月60時間の算定に法定休日労働は含まれません。

■法改正によるメリット

法改正によって労働時間の削減が期待されます。それにより従業員の健康管理がしやすくなり、働きやすい職場環境が整備されることで従業員のモチベーション向上や離職率の低下につながるとされています。割増賃金を支払うことで労働者に対する報酬が増え、ワークライフバランスの改善が見込めます。

■今後の課題

財務的な負担や人材確保など、課題も多くあります。従業員との意識の相違、社員の受け入れ態勢の整備などです。これらを解決するためには、中小企業が独自の取り組みをするだけでなく、国や自治体、業界団体、労働者などの支援が不可欠です。

■おわりに

中小企業は今後、労働時間管理システムの整備や割増賃金の支払いに対応するための新しい採用方針・人事制度等の見直しを行う必要があります。 また、法改正によって生じるリスクを回避するためにも、適切な手続きや注意点について把握しておく必要があります。最適な労働環境を整えるために、情報収集や対策の見直しを行うことも大切です。

以上、最後までお読みいただきありがとうございました。関連してご相談等ございましたら、HLSグローバルまでお気軽にお問い合わせください

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