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ドイツ税務のアップデート2024年5月

  1. アーンアウト(Earn Out)対価の受取時課税
  2. 隠れた準備金の取り崩し(6%の利益割増率は適法)
  3. 短期雇用従業員の労働に関する社会保険免除
  4. 社用車の電子走行記録(ログブック)に関する変更履歴
  5. 求職費用の所得控除

(さらに…)

米国税務アップデート:IRSが税務調査の件数増加を発表。

今月2日(5月2日)に、IRSが、将来の戦略的運営計画(「SOP」Strategic Operation Planの略)を公表し、この計画の中で、税制の執行強化については、税務調査件数の大幅増加を目標にしていることが明らかにされました。

 背景としては、2022年8月に、クリーンエネルギーへの投資、財政赤字の削減等を目的とするInflation Reduction Act(「IRA」)が米国議会で可決され、この法律の中で、税制の執行強化による歳入拡大を目的として、IRSに総額800億ドルの追加予算が割り当てられました。具体的には、IRSの近代化によるサービスの向上や税務調査の強化による歳入拡大が主な内容です。その後、2023年6月に、共和党と民主党の財政赤字削減の交渉により、IRSへの追加予算の内、200億ドルが削減されました。それでも継続して予算が削減されてきたIRSにとっては、今回の予算は大幅引き上げとなりました。様々な課題を指摘されてきたIRSにとっては、SOPは大きな改革へのステップとして注目されています。

 2日に発表されたSOPでは主に5つの主要な目標が掲げられています。

  1. 納税者が納税義務を果たし、また、税制優遇を受けられるようにサービスを劇的に改善する。
  2. 納税者の問題を迅速に解決できるようにする。
  3. 複雑な税務申告や高額所得者の納税不遵守等のTax Gap(税金未納問題)に対して、集中的に税制執行を強化する。
  4. 効率的な運営をするために最新テクノロジーを導入する。
  5. 納税者に質の高いサービスを提供するために優秀で多様性のある人材の勧誘や確保を行う。

上記の主要な目標に向けて様々なエリアで、改善の取り組みを行う予定です。また、SOPでは、高額個人納税者、大企業、大規模且つ複雑なパートナーシップ等の税務調査の強化を目標にしていることも述べられています。

  • 高額個人納税者:

1,000万ドル(10ミリオンドル)を超える高額個人納税者に対する税務調査率を2019年度の11%から2026年度には16.5%へ、50%以上引き上げる。

  • 法人:

資産額が 2億5千万ドル(250ミリオンドル)を超える法人の税務調査率を2019年度の8.8%から2026年度には22.6%へ、3倍に引き上げる。

  • パートナーシップ:

資産額が1千万ドル(10ミリオンドル)を超える大規模且つ複雑なパートナーシップの税務調査率を2019年度の0.1%から2026年度には1%へ、10倍に引き上げる。

 

なお、40万ドル未満の所得の小規模企業、個人納税者については、税務調査率の引き上げは行わないと、されています。

 ただし、今回発表された税務調査の件数増加についての計画ですが、件数の他に、税務調査の「質」の面についても、今後着目して行く必要があるかと思われます。IRSはzero adjustmentという問題を抱えています。Zero adjustmentとは税務調査で、修正や更正金額が無く、ゼロで完了することを意味しています。日本の税務調査では、修正金額や更正金額がゼロで終わることはなかなかありませんが、米国の税務調査では、Zero adjustment が常態化しています。2019年度には、資産が1千万ドルを超える企業の税務調査でZero adjustmentで完了する割合が38%と言われており、この割合は2010年度の28%から増加傾向にあります。この問題の一因には、米国の税制が複雑化され一般の調査官にとって難解になる一方、納税者側はその分、準備やコンプライアンスに注力してきたため、両サイドに格差が広がったことが考えられます。

 今回、追加予算を割り当てられたIRSですが、税制の複雑化に伴う調査能力の維持、経験豊富な調査官の世代交代、引き続きひっ迫している米国労働市場での人材確保等、様々な課題を抱えており、その改革は容易ではないと思えます。IRSの改革や税務調査の行方に、今後も注目して行きたいと思います。


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New invoice system in japan 2023

令和6年度定額減税

1回目 定額減税の概要

  1. はじめに

令和6年度税制改正に伴い、令和6年分所得税、及び個人住民税について定額による特別控除(定額減税)が実施されることとなります。この定額減税に関する事務は多少複雑であり、また、事務処理が一定期間続くことが考えられます。ここでは、3回(今回-制度の概要、2回目-月次減税事務、3回目-年調減税事務)に渡って定額減税の概要や、源泉徴収事務の大まかな内容について解説します。また、ここでは給与所得者を対象としております。

  1. 定額減税の内容

(1) 所得税

① 対象となる人

    • 令和6年分の所得金額が1,805万円(給与収入2,000万円)以下に相当する人です。

    ② 減税額

      • 本人(居住者に限る) 30,000円
      • 同一生計配偶者及び扶養親族(居住者に限る) 30,000円/一人当たり
      • 居住者」とは、国内に住所を有する個人又は現在まで引き続いて1年以上居所を有する個人をいいます。「非居住者」は定額減税の対象とはなりません。
      • この減税では、扶養控除の適用が無い16歳未満についても適用があります。

      ③ 実施方法

        • 6月以降の最初の給与又は賞与に関する源泉徴収税額から減税分を控除し、6月に減税しきれなかった金額については、翌月以降の税額から順次控除します。これを月次減税事務といいます。
        • 合計所得金額が1,805万円超(給与収入2,000万円超に相当)であっても月次減税事務は実施されます。ただし、定額減税の対象ではないため、年末調整で調整されます。
        • 6月以降最初の給与又は賞与1回分のみで定額減税を完了できるケースは少ないため、適用状況を管理簿で管理することが望ましいとされています。

        管理簿ダウンロード

        国税庁「定額減税特設サイト」にて提供している。(この管理簿の作成は義務ではなく、徴収事務の便宜のために国税庁が掲載しているものです。)

        • (例)同一生計配偶者と扶養親族2名の場合、所得税の定額減税合計額が120,000円となります。これを1回の源泉徴収で控除できる場合は、社会保険控除後の給与額で約100万円を超える場合(扶養親族がともに16歳以上の場合)となります。
        • 年末調整の際、年末調整時点の定額減税額に基づき精算を行い、これを年調減税事務といいます。給与支払者は、月次減税事務、年調減税事務の二つの事務を行うことになります。
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        (2) 個人住民税

          ① 対象となる人

            • 令和6年分の個人住民税に係る合計所得金額が1,805万円(給与収入2,000万円)以下に相当する人です。

            ② 減税額

            • 本人(居住者に限る) 10,000円
            • 控除対象配偶者又は扶養親族(国外居住者を除く)10,000円/一人当たり
              • なお、控除対象配偶者を除く同一生計配偶者については、令和7年度分の所得割の額から1万円を控除します。
              • 「同一生計配偶者」とは、次に該当する人をいいます。

              その年の12月31日(年の途中で死亡または出国する場合は、その死亡又は出国の時)の現況で、本人と生計を一にして、年間の合計所得金額が48万円(青色専業者又は白色専従者を除く)である配偶者をいいます。

              • 「控除対象配偶者」とは、同一生計配偶者のうち、本人の合計所得金額が1,000万円以下の場合の配偶者をいいます。

              ③ 実施方法

                • 令和6年6月の給与支払では特別徴収を行ないません。
                • 減税額を控除した後の徴収税額の11分の1の額を、令和6年7月から令和7年5月まで毎月控除します。
                • 普通徴収の場合は、1期分の納付額から控除を行い、控除しきれない分は第2期以降の納付分から控除します。
                1. Q&A
                  1. 給与から減税しきれない分はどうなりますか?
                • この定額減税事務は令和7年1月以降に支給される給与からは行いません。控除しきれなかった部分については給付となります。また、全額が控除できないことと見込まれる場合には、自治体より前倒しで給付されます。
                1. 賞与からも定額減税は行われるのか?
                • はい、賞与から控除される源泉所得税についても対象です。
                1. 上記3において、私は合計所得金額が1,000万円を超えているので、配偶者分については定額減税の対象とはならないのですか?配偶者の合計所得金額は48万円以下です。
                • 配偶者の合計所得金額が48万円以下で、納税者本人の所得額が1,805万円以下であれば、その配偶者についても対象となります。
                • ただし、配偶者の合計所得金額が48万円を超える場合には、配偶者本人の源泉徴収税額から定額減税を行います。⇒この関係を図式で示すと以下のようになります。
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                1. 令和6年の合計所得金額が1,805万円(給与収入が2,000万円)を超えることがあきらかであるため、定額減税の対象外のため、月次減税の対象にしなくてもいいですか?
                • 合計所得金額が1,805万円を超えることが見込まれる場合であっても、月次減税の対象となり、選択はできません。年調減税事務、または確定申告においてその分が精算されることになります。

                令和6年度定額減税

                第2回 月次減税事務について

                1. 控除対象者の確認

                定額減税の対象者は、令和6年6月1日現在で、給与等の源泉徴収において源泉徴収税額表の甲欄が適用される居住者(基準日在職者)となります。

                よって、この基準日在職者を特定することから始めます。

                ※次に該当する人は基準日在職者に該当しません。

                (1) 令和6年6月1日以後に支払う給与等の源泉徴収において、源泉徴収税額表の乙欄や丙欄が適用される人

                (2) 令和6年6月2日以後に支払者のもとで勤務する人

                (3) 令和6年5月31日以前に支払者のもとを退職した人

                (4) 令和6年5月31日以前に出国して非居住者となった人 

                ※合計所得金額が1,805万円を超えると見込まれる基準日在職者も対象となります。

                1.  月次減税額の計算

                最初の月次減税業務までに提出された扶養控除等申告書から、次の3点を確認します。

                1. 居住者である同一生計配偶者の確認

                居住者であり、かつ、年間合計所得の見積もり金額が48万円以下である場合には、月次減税対象の人数に加えます。

                1. 居住者である扶養家族の確認

                ・控除扶養等申告書に記載された控除対象扶養親族

                16歳未満の扶養親族(住民税に関する事項として記載されている)

                これらに該当する人を月次減税対象の人数に加えます。

                (3) 扶養控除等申告書に記載されていない同一生計配偶者や扶養親族に関する申告

                扶養控除等申告書に記載のない配偶者や、16歳未満の扶養親族(住民税に関する事項に記載されていない場合)については、「源泉税額に係る定額減税のための申告書」を提出することで、月次減税対象の人数に加えます。

                また、その際には配偶者の年間合計所得の見積り金額が48万円以内かを確認する必要があります。

                テーブル

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                ③ 注意点

                 最初の月次減税事務で適用された同一生計配偶者と扶養親族の数から変動が生じた場合には、年末調整や確定申告で調整することとなり、途中で再計算を行いません。

                ④ 給与明細への反映について

                給与支払者が月次減税額の控除を行った場合には、給与・賞与(以下「給与等」)の支払の際に、従業員に交付する給与支払明細書に、月次減税額のうち、実際に控除した金額を「定額減税額(所得税)○○○円」または「定額減税×××円」などと記載します。

                 なお、年末調整対象の給与等に係る給与支払明細書については、源泉徴収票で定額減税額を把握することが可能であるため、定額減税額のうちに実際に控除した金額の記載は要しません。

                テキスト, 手紙

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                ⑤ 源泉税納付書の記載

                   源泉徴収分の納付については、納付書の「俸給・給料等」、「賞与(役員賞与を除く。)」または「役員賞与」の「税額」欄には、各人ごとの月次減税額の控除を行った後の税額を集計し、その金額を記入します。

                  その際に、定額減税に関する事項の記載は不要です。

                  また、この控除により納付すべき税額が無くなった場合でも、通常通りに納付書に記載し、その納付書を所轄税務署長に提出する必要があります。

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                令和6年度定額減税

                第3回 年調減税事務について

                年末調整の詳しい事務内容については、国税庁ホームページにおいて、9月頃から随時掲載予定です。

                ここでは、年調事務の流れについて紹介します。

                ① 対象者の確認

                年調減税事務では、年末調整時点の定額減税額に基づき、年間の所得税額との精算を行います。

                なお、給与所得以外の所得を含めた合計所得金額が1,805万円を超えると見込まれる人は定額減税の対象ではないため、月次給与で減税された分を年末調整で足し戻す形になります。また、年収が2,000万円以上の場合、年末調整はありません。

                • 年末調整において合計所得金額が1,805万円を超えるか否かを勘案する際には、基礎控除申告書により把握した合計所得金額を用います。

                ② 年調年税額計算の流れ

                年末調整の流れにおいて、この減税は住宅借入金特別控除後の年調所得税額から控除することになります。定額減税控除後の所得税額に102.1%(復興特別所得税額)を乗じ、年調年税額が算出されます。  

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                 ③ 年調減税額の計算

                 年末調整実施時点での同一生計配偶者の有無、及び扶養親族(いずれも居住者に限ります)の人数を確認して、本人30,000円、同一生計配偶者と扶養親族1人につき30,000円との合計額を求めます。

                 年調後に発行される源泉徴収票には、その摘要欄に実際に控除した年調減税額を「源泉徴収時所得税減控除済額×××円」と記載されます。

                 ④ 年調所得税額から定額減税分を控除しきれない場合

                 2025年1月支給分からは、月次減税は行いません。その場合は、源泉徴収票には「控除外額×××円」と記載されます。また、減税前の税額が低く、定額減税しきれないことが見込まれる場合は、給付が行われる予定です。

                参照資料

                国税庁 定額減税特設サイト 定額減税 特設サイト|国税庁 (nta.go.jp)

                国税庁 令和6年分所得税の定額減税について 0024004-072_03.pdf (nta.go.jp)

                国税庁 給与等の源泉徴収事務に係る令和6年分所得税の定額減税のしかた

                  0023012-317.pdf (nta.go.jp)

                国税庁 令和6年分所得税の定額減税Q&A  0024001-021.pdf (nta.go.jp)

                総務省 個人住民税の定額減税に係るQ&A集(第2版)000944311.pdf (soumu.go.jp)


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